一万時間の法則はウソ!?科学的な練習方法3選
一万時間の法則はご存じでしょうか?
マルコム・グラッドウェルの「天才!成功する人々の法則」で有名な法則ですね。
簡単に言うとある分野を極めるためには、一万時間の総練習時間が必要という法則です。
科学者の中では否定的な意見が多く、ケースウェスタン大学の研究ではバイオリニストについて調査したところ、最高のバイオリニストは、良いバイオリニストよりも平均的な練習量は少なかったと報告されています。
研究チームいわく、練習量の違いはバイオリニストのスキルの26%しか説明できないとのことです。
結局、音楽は遺伝や環境の方が大事なのか…という夢も希望もない現実を突きつけられました。トホホ、、、
しかしながら、この研究は練習の量のみに焦点を当てているのがポイント。
練習量だけでなく、質も重要だと言えましょう。ただ、練習量も26%は影響を与えるので、練習量と質を高めるためのテクニック3選をご紹介します。
フィードバックループ
フィードバックループを作ることで、自分の間違いや癖を正確に把握して対処することができるようになります。
音楽の練習でいうと、演奏を録音→録音を聴く→ミスや癖を探す→改善→演奏を録音…
というのがフィードバックループに当たります。
YOUTUBEなどで演奏動画を上げている方って自然とフィードバックループを作れているのでメキメキ上達していますよね。
このフィードバックループ、どの分野でもかなりの効果を出せるテクニックなので、是非使って見てください。
イメージトレーニング
続いてイメージトレーニング。著名なピアニストには、日々の練習前や本番前にイメージトレーニングをしていたといわれています。
ハーバード大学のパスカル・レオーネ教授らの実験を紹介します。
レオーネ教授は、ピアノを弾いたことのない人を3つのグループに分けました。
・1つ目のグループは5日間、毎日2時間実際にピアノを弾いて練習した。
・2つ目のグループは5日間、毎日2時間「ピアノを弾いている動きをイメージ」そてもらう
・3つ目のグループは5日間、何も練習せずに普通に過ごしてもらう
この中で、指を動かす神経細胞の動きが最も上昇したのは、もちろん毎日実際にピアノを2時間練習したグループでした。
しかし、イメージトレーニングをしただけのグループでも、指を動かす神経細胞の動きが上昇していました。
これは、イメージトレーニングには効果があることを物語っています。イメージトレーニングのすごさはどこでもできるということです。
電車での移動中でも旅行中でも場所を選ばずにトレーニングすることが可能です。
さらに、イメージトレーニングの重要なポイントとして、ケガのリスクを激減することが可能な点です。
日本国内のピアノを専攻する高校生、音大生、ピアニスト、ピアノ教師203名にアンケートを取った調査では、実に77%にあたる157人が過去五年のうちにピアノの演奏をしていて身体のいずれかの部位に痛みやしびれを経験したことがあると回答しました。(中略)
更にアンケートの結果を詳細に調べてみると、一日の練習時間が4時間を超えると、手を痛めるリスクが上昇することが分かりました。
ケガをしてしまったら1週間丸々弾けないなんてこともざらなので、一日4時間以内の練習とイメージトレーニングが練習効率が最大になるんじゃないでしょうか?
ミラーニューロンを活かす
私たちの脳にはミラーニューロンというものが備わっています。ミラーとは鏡の事で、誰かがしている事を見たり聞いたりするだけで、あたかも自分が活動しているように働くニューロンです。
サルを対象にした実験で、紙を破る音を聞かせただけでもまるでサル自身が紙を破る行動を丸ごと自分でしているかのように、ミラーニューロンが反応することが分かりました。ちなみに、このミラーニューロンは人間にもあります。
つまり、音楽を聴いたり、弾いている映像を見たりするだけでもミラーニューロンが反応し、演奏の上達に役立つのではないでしょうか?
あるミュージシャンが「とにかく音源を聴きまくれ!」と言っていました。沢山音楽を聴きこんだ奴ほど上達すると力説していましたが、今になって思えば、これはミラーニューロンが関係していると思う次第です。
まとめ
ということで、楽器上達に役立つようなテクニックについて書いてみました。
要は、YOUTUBEに動画を上げつつ他の動画も見まくれば最強ということですね(?)
簡単に実践できるようなテクニックなので参考にしてみてくだされば幸いです。